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初心者でもLUMIX GX7 MK2でそれっぽい星空が撮影できるようになるためのヒント


南の島に移住して4ヶ月が過ぎ、趣味っぽいことが少しできました。その一つが、「星空撮影」です。
ショッピングモールやアミューズメント施設のない島では、都会でやっていたような活動ができないので、おのずと自然と戯れることが多くなります。今住んでいる宮古島は、街から離れると街灯一つ無いところばかりで、ふと夜空を見上げると満天の星に囲まれます。そういう中にいると、自分自身がとっても小さな存在に思えてしまうほど、宮古島でみる星空は圧巻です。

そんな星を見ていると、これを写真に収めたくなるんですね。今ではスマホも星空撮影に適した機種なども出てきて簡単に撮ることが出来ますが、やっぱりもっといい絵を撮りたいと思うようになると、本格的なカメラが必要になるのでは?と思うことでしょう。でも、デジタル一眼レフやミラーレス一眼は、決して安いものではないので、そうそう買うことも出来ませんよね。今回は、私がカメラのキタムラのオンラインショップで買った、中古のLUMIX GX7 Mark II(以下 GX7 MK2)を使って、あまりお金を掛けること無く撮影する方法を紹介します。事前に言っておくと、私は撮影のプロではありません。カメラ撮影に関してはずぶの素人で、きちんと専門の方に学んだことはなく、撮影も生業としている友人からのアドバイスやネットで探した記事から学んだことを実践しているだけの人です。

機材準備編

星空撮影を本格的におこなおうとするときに、いろいろとしらべてみると、あれやこれやといろいろなものが紹介されて、気がついたら二桁万円なんてことはざらにあります。どんなものが必要なのか挙げてみます。

  • カメラ本体
  • レンズ
  • 三脚
  • 赤道儀
  • レリーズ

どこのサイトでも、たいていはこのあたりは必須と言われることが多いですね。カメラ本体とレンズについては、後述しますが、結構迷うのが赤道儀です。

星空の撮影は可能な限り余計な光が入り込まないところでの撮影が好ましいため、当然周りは真っ暗です。真っ暗の中で撮影すると通常は自動でフラッシュが焚かれますが、フラッシュは厳禁。ということは、普通にシャッターを切れば真っ暗で何も映りません。そこで、シャッタースピードを遅くして可能な限り光を集めて撮影をする必要があります。私の場合は15″ほどのシャッタースピードで撮っているのですが、地球は自転していて当然少しずつですが星も移動します。そのため、シャッタースピードを遅くすればするほど、星が移動をして点が線になってしまうんですね。これは、向けた方角にもよりますが、南の空の撮影はこのあたりがかなりシビアです。なので15″が限界かなと思っていますが、星に追従して撮影を補助してくれるのが赤道儀と呼ばれるものになります。

Amazonなどで赤道儀で調べると、オススメ品はたいてい3万円以上する高価なものになります。自動追尾機能がついているため、絶対に良いのだろうなと思うのですが、とにかく高い。プロカメラマンの方で経費で落とせるのであれば良いですが、素人の趣味レベルで必要かと言えば、個人的には無くても良いかなと思っています。いつかは買いたいところですが(笑)

そして、星空撮影で絶対に持っておくべきもの一つが三脚です。シャッタースピードを15″と遅くしているため、手持ちで15秒も震えること無くいることはまず不可能です。そのため、星空撮影では三脚でしっかり足元を固定して撮影する必要があります。三脚もAmazonなどでピンからキリまであるので迷うところですが、私はリサイクルショップで1,500円ほどで買ってきたものを使っています。三脚を買うときにあると良いのが、三脚には雲台と呼ばれているカメラを取り付けるネジと一緒に台がついています。その雲台は三脚本体に固定されていて横取りだけしか出来ないものと、雲台に取り付けられているネジを緩めてカメラを縦にすることができるものがあります。当然機能が追加されているようなものなので、少し値段が高くなりますが、私的には画角を楽しむという点で縦に出来る雲台付きの三脚をおすすめします。ただどちらかというと、縦撮りができる雲台よりも、雲台を三脚本体から取り外すことが出来るほうを優先的におすすめします。これについては後述します。

もう一点がレリーズ。星空撮影でシャッターを切るときシャッターを直接押した際にぶれる可能性があります。そこで、シャッターに直接手を触れること無くシャッターを切ることが出来るリモコンがあると、ブレる可能性が低くなるのであると便利です。ただ、カメラによってはこのリモコンがないものや取り付けることが出来ないものもあります。私の手持ちのLUMIX GX7 Mark IIがまさにそれです。なので、私の場合はセルフタイマー機能を活用してブレないようにしています。

問題はレンズです。いろいろ調べていると本当にわけがわからなくなります(笑)。なので、ここは広角の単焦点で明るいレンズを1本用意するということで十分かなと思います。私の場合は、もともとLUMIX GF3のレンズキットについていたF.2.5の14mmの単焦点レンズがあったので、それをGX7 MK2に取り付けて撮影しています。単焦点の広角レンズは、スナップ撮影でもいい絵が撮れるので、明るめの単焦点レンズは1本あると便利です。

最後にカメラについて。正直な話、星空撮影についていろいろと調べていると、GX7 Mark IIの評判はあまり良くない感じがあるのですが、もともとZoomのウェブカメラ用として買ったGX7 MK2をそのままWeb会議だけで使うのはもったいないという理由で星空撮影でも使っています。なので、本格的に星空撮影をしていこうというのであれば、別のカメラでも良いとは思いますが、この記事はあくまでもLUMIX GX7 MK2での撮影の紹介なので、他のカメラについては触れません。

撮影準備編

必要な機材を揃えて、では撮影に!といきたいところですが、1点だけ注意しておく必要があるのが月の位置です。普段眺めているだけだと美しい月も、星空撮影ではこの月が少々やっかいです。月明かりは予想以上に明るく、満月の時は、普段真っ暗な道も薄明かりによって歩きやすいくらいの明るさです。そのため、月明かりによって暗い星がほとんど映らなくなります。なので、星空撮影をするときは撮影時間に月がどの位置にあるのかは把握しておく必要があります。星空撮影で最も適しているのは新月の時です。夜のどの時間帯でも月明かりに邪魔されること無く撮影できるからですね。私の場合、明け方の撮影はムリなので、日が沈み深夜になる前までの時間帯で撮影することが多いため、おのずと満月以降の月の出が22〜23時以降くらいになる下弦の半月の頃(月齢18〜19あたり)から月の入りが19時〜20時頃の上弦の三日月の頃(月齢1〜3)という限られた日にちの間に撮影しています。

月齢も確認して、いざ撮影と言うことで目的地に向かいます。先述の通り、可能な限り街明かりなどが入らない暗いところをオススメしますが、当然夜なので危険です。足元の悪い場所には立ち入らないようにしながら、撮影ポイントで機材を設置します。

設置の際は、周りが暗いのでダイソーで買ったLEDのミニ懐中電灯を照らしながら機材を設置する必要があるのですが、手元がおぼつかないこともあるので、私の場合はこんな感じで下準備をしてしています。

  1. 三脚の雲台を三脚から取り外し、雲台をカメラに取り付けておく
  2. カメラの設定を可能な限り済ませておく

機材準備編で雲台を取り外せる三脚をおすすめしたのはこのためです。星空撮影ではとにかく真っ暗な中で作業をするので、手元がおぼつかない中でカメラを雲台に取り付けるのはなかなか大変です。そこで、自宅を出る前や現地に着いた時の車の中で雲台をカメラに取り付けておけば、カメラを三脚に設置するときにまごつかずに済みます。もちろん、最初から三脚に取り付けてしまっても良いのですが、それだとカメラのついた三脚を後部座席に放って置くようなもので、何かの衝撃で座席から落ちたときにカメラを壊してしまう可能性もあるので、雲台を外せる三脚の方がカメラにとっても安全です。

カメラの設定も、あらかじめしておく方が撮影は楽です。当然実際に撮影してみて思ったような絵が撮れないこともあるので、都度その場で調整することもあるのですが、必要最低限の設定はあらかじめしておいた方がラクです。星空撮影での設定については私もプロではないので、ネットで調べて設定をしているので、より詳しくはそういう記事をご覧いただくこととして、ここでは私のGX7 MK2での設定を紹介します。

  1. カメラの電源を入れ、撮影モードをマニュアルにするためシャッター脇のダイヤルを「M」にあわせる
  2. 本体の右下の「DISP」ボタンを数回押して手動設定の画面を出す
  3. 最上段の右側がシャッタースピードを設定するところなので、タップしシャッタースピードを「15″」にする
  4. 中段の上のISO感度を「1600」にする
  5. ISO感度設定の並びの右にあるフラッシュマークをタップしフラッシュモードで一番右の「発行禁止」にする
  6. 中段のISOの下が「AFS」「AFF」「AFC」になっている人は、タップして「MF」にする
  7. 下段の左から二番目のホワイトバランスを晴れマークにしておく
  8. 液晶からみて右側にあるMENUボタンを押して、静止画設定の画面にある「長秒ノイズ除去」を「ON」にしておく

ここまでの設定は、自宅にいるときでもできるのと一度セットしてしまえばカメラの方で記憶してくれるので、事前にセットしておきましょう。その方が現地についてまごつくこと無くすぐに撮影が始められます。それぞれの設定には理由があるのですが、そこは星空撮影のプロの方の記事などを読むと納得することが多いので、ぜひそちらをおすすめしますが、設定の際に注意しておくのがシャッタースピードです。実はこれまでシャッタースピードをいじることなんて全くなかったので、ここの設定値を間違えたことがありました。「1/15」です。15秒とだけは頭に入っていたのですが、それが「15″」と表されていることを知らず、15という数字だけをみて「1/15」でバシャバシャ撮影をして、いざ見てみたら全然撮れていなかったというめちゃめちゃアホなことをしていました。なので、シャッタースピードの表示は「15″」となっているのかは確認しておいてください。

そして、フォーカス設定なんですが、MFにするのには理由があります。MFはマニュアルフォーカスの略なので、フォーカスリングを回して対象物にピントを合わせて撮影します。AF系はオートフォーカスなので、対象物をタップしたり自動で判別して撮影しますが、星空のようにほぼ真っ暗な所での撮影ではオートフォーカスが機能しないのでシャッターが切れません。なので、マニュアルフォーカスにして自分でピントを合わせて撮影をする必要があるのです。

現地に出向いて諸々セットして撮影に入るのですが、三脚にカメラをセットして電源を入れたら最後に一つだけ忘れてはいけない設定があります。ここだけは真っ暗な中での作業なので、LED懐中電灯などでカメラを照らしながら作業をします。背面のMENUボタンの下にあるボタンを押してドライブモードでセルフタイマーのセットをします。ドライブモードの画面が表示されたら、MENUボタンの隣の「WB」と書かれているボタンを押してセルフタイマーに合わせます。ここで「10」と表示されてる場合は「詳細設定」というところをタップしてセルフタイマーの時間を「2」に変更します。別に10秒のままでも良いよという方はそのままでも良いですが、この場合1枚の星空を撮影するのにかかる時間は次のようになります。

セルフタイマー10秒 + シャッタースピード15秒 + 長秒ノイズ除去時間約15秒 = 約40秒

これくらいの時間は最低かかります。これを長いと取るか否かは別として、シャッターボタン押してから2秒でシャッターを切ってくれた方が気持ち的には良いので、2秒にしておくと良いです。

ここまで来たら、あとはフォーカスリングを使って星にピントを合わせていきます。実は、ここがすごく難しく大変です。未だにうまく合わせられず、一回の撮影でも半分以上がピンボケ写真になってしまいます。プロの方が書かれている記事などを参考にしているものの、本当に難しいのですが、まずは明るい星にカメラを向けてフォーカスリングを回しながらその明るい星が点になるように液晶モニタで確認します。ピントが合っていないと液晶でもはっきりとわかります。ピントが合ってくると点になるのでうまくあわせます。

その状態でシャッターを切って撮影後のプレビューでそれらしく見えているのであればそのまま撮り続けていきます。ただし、方角を変えたときなどは再度ピント合わせが必要なので注意が必要です。

なんだかんだ言って、結構ピントが合っていないことが多いので、とにかく気が済むまで撮っておくのをおすすめします。最終的に撮影した写真は、PCで現像する必要があり、PCに取り込んだときに実際に使えそうな写真は一握りしかないのがわかりますので、いろんな角度で自由に撮影を楽しんでみてください。先述のセルフタイマーですが、LUMIX GX7 MK2は、カメラの電源を落とすと単射モードに戻ってしまうので、そのときはセルフタイマーにし直すことをお忘れなく。

さて、これまで何度か星空を撮影していてわかったことがあります。満天の星空だけを写してもなんだかよくわからない写真になってしまうと言うことです。よく考えてみると、カメラでは無く実際の目を通して星を見るとき、天頂を見ているとは言え視界の左右に何かしらの絵が入ってくるはずです。これらをひっくるめて星の美しさ感じることができるわけで、カメラを通してだと平面の中に無数の白い点としてしか表現されません。そのため、地表の風景と合わせて撮影することで星空と地表との対比をうまく表現して美しい絵に仕上げることが出来ます。ただし、一つだけ星空だけでも映えるものがあります。それは天の川です。地表との風景を交えればより良いですが、天の川はそれだけでも十分絵になる素晴らしいものです。なので、天の川が見られないような季節の撮影の際には、天頂では無くカメラを地表を1/4〜1/3、残りは星空になるように三脚で角度を調整して撮影することをおすすめします。

天頂の星空。肉眼ではすごいのですが、平面になるとちょっと寂しい絵になります。
同じ日に撮影した写真。地表と合わせると星空が活きてきます。

応用編

応用編なんて言うとプロっぽい書き方ですが、宮古島に来てから数回星空を撮影してきて、わかったことがあります。それはシャッタースピードの調整です。撮影準備編でも書きましたが月明かりというのは結構厄介で(月の住人の皆さんゴメンw)、暗い星を飛ばしてしまいます。ただ、月の周りは確かに明るいのですが、月を背にして地表に向けるとそこそこの写真は撮ることが出来ます。

北斗七星と北極星

この写真は、月齢7で夜8時過ぎ頃に月を背にして北の方角を撮影した写真です。月齢7というのは上弦の半月前で、夜8時過ぎだとちょうど天頂から少し西に寄った位置にあります。満月ではないのですが、それでも月の周りにある暗い星はほとんど飛んでしまって見えません。

月に寄り添うように見えたオリオン座

画面右上にうっすらと月明かりが見えていますが、この写真はその月を微妙に避けて映したものですが、オリオン座がかろうじて見えるものの、明るい星以外は結構飛んでいます。

これらの写真を先ほどまでお伝えした15″で撮影すると、画面が白飛びしたり昼間のような絵になってしまいます。そこで、シャッタースピードを調整する必要があります。これら2つの写真はどちらも撮影準備編で紹介した手動設定の画面でシャッタースピードを5″にして撮影したものです。なので、月明かりがあるときもシャッタースピードを調整すれば撮影はムリではないのですが、より多くの星を撮るのであればやはり月が出ていない時間がおすすめなのです。

そしてもう一つ星空撮影をしてわかったことがあるのですが、それは北の方角の方がブレのない星空写真が良く撮れるということです。どういうことかというと、地球は自転しているので当然星もそれにあわせて動くのはわかるかと思いますが、極である北の方角はその動きがおそく、シャッタースピードを少し遅くしても星の移動によるブレが発生しにくいと言うことです。反対に南側の星空は星の動きが速いため、シャッタースピードを30″などにすると、星が動いてしまう可能性があるため、先述のとおり赤道儀のようなもので星を追尾して撮影するプロが多いのです。素人なのでブレたらブレたで「ははは…」で済む話なので気にしてはいないのですが、星空撮影の練習をするのであればまずは北の空から撮影するのをおすすめします。

最後に

東京に住んでいたときはまったく見ることの無かった星空。街明かりに照らされて、夜遅くまで暗くなることのない日常でしたが、宮古島に来てから夜ってこんなに暗かったっけ?と最初は感じていました。4ヶ月もなるとそれも日常の一つになって、その暗い中を自分なりに楽しむようになりました。それが星空を眺め、星空を写真に収めることでした。

私はずぶの素人で、プロのカメラマンのような素晴らしい夜景や星空を撮ることはできませんが、ネットで学んだ知識でも、これくらいの写真であれば私のような素人でも十分撮れるので、ぜひ宮古島に来ることがあったら、星空撮影にチャレンジしてみてください。

宮古島は、6月になると天の川がみられるようになります。私はまだこの宮古島で天の川を見たことがありませんが、梅雨が明けたときには、満天の星空にある天の川の撮影をして、また紹介したいと思います。

それでは!

参考サイト

都道府県別月の出・月の入りマップ〜都道府県別月の出・月の入時刻一覧と方角〜
https://hinode.pics/moon/state


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